Speaker
近澤 聖賢
Description
非超対称ブラックホールはしばしば動的不安定性を示し,より安定な相への遷移を記述すると考えられている.そのため,それらの性質を解明することは弦理論における時空の安定性や相構造を理解する上で重要である.本研究では,10次元ヘテロ超重力における非超対称ブラックブレーンの新たな厳密解を与える.我々のブラックブレーン解は2種類のゲージ電荷をもつにもかかわらず解析解であり,これはヘテロ弦におけるブレーンの分類に関する近年の発展を拡張するものである.また,これらの解は,既知の非臨界次元における解を臨界次元へ埋め込むための新しい方法を提供する.
さらに,このブラックブレーン上で非可換ゲージ場の摂動解析を行うことにより,温度が低下すると自発的に対称性が破れ,ゲージ場凝縮を伴う動的不安定性が発生することを解析的に示した.この不安定性は,ヘテロ超重力におけるブラックブレーンの相転移を意味し,未発見のブラックホール解の存在を解析的に予言している.
また,構築したブレーン解から,標準模型を導出するシナリオがつくれるかについても議論する.