7–15 Mar 2026
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共形同値性に基づく対称的インスタントンの次元降下が導く双曲磁気単極子・渦糸によるホログラフィー整合なクォーク閉じ込め

15 Mar 2026, 13:00
1h

Speaker

Prof. 慶一 近藤 (千葉大学)

Description

クォーク閉じ込めは素粒子物理学における中心的未解決問題の一つである。
Wilsonループ期待値の面積則は広く受け入れられた閉じ込め判定基準であるが,
4次元Yang–Mills理論において第一原理からその挙動を解析的に厳密に導出する
ことは依然として達成されていない。磁気モノポールや中心渦糸といったトポロ
ジカル欠陥が,非摂動的真空に赤外無秩序を誘起し得るという半古典的閉じ込め
機構は長年示唆されてきた。しかし従来,これらの欠陥は4次元Yang–Mills理論
とは異なる仮説的有効理論を介して,しばしば互いに独立な対象として扱われて
きた。

本講演では,Yang–Mills理論における唯一のトポロジカルソリトンである4次
元ユークリッド空間のインスタントンを,空間対称性を保つように制限して得ら
れる「対称的インスタントン」配位が定義する,制御可能な半古典的セクターに
焦点を当てる。共形同値性を指導原理として用いることで,4次元ユークリッド
空間上の対称的インスタントンが,次元降下により負の定曲率をもつ3次元双曲
空間(AdS3​)上のAtiyah型磁気モノポール,あるいは2次元双曲空間上のWitten-
Manton型渦糸へと一貫して帰着することを示す。この幾何学的再構成により,イ
ンスタントン・磁気モノポール・渦糸を単一の枠組みに統合し,閉じ込めを統一
的に理解する道筋が得られる。

さらに,この対称的インスタントン・セクターにおいて,半古典的希薄ガス近
似の範囲内でWilsonループの面積則が成立することを示す。加えて,双曲型磁気
モノポール配位が漸近境界データによって一意に再構成されることを指摘し,ホ
ログラフィック対応の限定された一形式を与える。本枠組みは,負曲率幾何が赤
外Yang–Mills理論の有用な再構成をもたらし,境界符号化と赤外無秩序化の機構
をとりわけ透明にすることを示唆する。時間が許せば,ゲージ場に対するゲージ
共変なCho–Duan–Ge–Faddeev–Niemi分解の観点からも,以上の結果を位置づける。
[arXiv: 2507.20372[hep-th]に基づく]

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