Conveners
ポスターセッション(Poster Session)
- There are no conveners in this block
ポスターセッション(Poster Session)
- There are no conveners in this block
ポスターセッション(Poster Session): Flash Talk
- Lento Nagano (University of Tokyo (JP))
ポスターセッション(Poster Session): Flash Talk
- Toshiaki Kaji (University of Tokyo (JP))
オンライントリガーでは、高速で運動量分解能とトリガー効率を高めることが重要である。今後増加すると予想されるイベントレートに対応するためには、現在の LHC- ATLAS 実験のトラッキング手法では、より多くの計算時間, 計算機台数, 消費電力量が必要となる。そこで、並列計算の効率化・低消費電力を備えたヘテロジニアスコンピューティングと、それらと相性の良い機械学習を組み合わせたトラッキングが改善案の一 つとして考えられる。本講演では、機械学習を用いたヘテロジニアスコンピューティングの可能性と性能について議論する。
標準模型を超える物理の探索において、LHC-ATLAS実験で開発された中性長寿命新粒子探索のためのDisplaced Vertex Triggerは、これまで検出困難であった特異な事象の捕捉を可能にする。このトリガーシステムは、衝突点から離れた場所で崩壊するLong-Lived Particlesの特性を捉え、従来のトリガーよりも高い効率でBeyond Standard Model事象を選別する。本講演では既に開発されたこのトリガーを用いて、SUSYの長寿命ニュートラリーノシミュレーションで効率評価を行った結果について報告する。
HL-LHC ATLAS 実験に向けて開発中のミューオントリガー回路は、主にヒットデータのバンチ交差識別を⾏う前段回路とトリガー演算を⾏う後段回路で構成される。トリガー演算は固定レイテンシーで行うため、両回路間のヒットデータの送受信は固定位相で⾏う必要がある。本番運用に向け、現在手動で行なっている、前段回路で⽤いるパラメータや後段回路におけるラッチのタイミングの制御を自動化させたい。加えて、本システムが的確な稼働をモニターする機構も必要である。発表では本課題に対する開発や試験結果を報告する。
本研究ではRun3で導入されたL2InsideOutの評価をおこなった。Run2までのATLASソフトウェアトリガーは検出器内で交差するミューオンの再構成を苦手としていた。これは外側の検出器を元に飛跡を再構成するアルゴリズムに起因しており、Bの物理において不利であった。そこで、Run3から内側から外側の検出器に向けて飛跡を再構成するL2InsideOutが導入された。このL2InsideOutのモニタリングシステムの問題点を修正し、評価を行った。
機械学習を用いたトップクォーク識別ツールの開発を行った。これまでに、深層学習(DNN)を用いて、特徴量ではなく、事象中の粒子の情報(low-level data)を直接DNNに入力して識別を行う手法を開発してきた。本研究では、先行研究(ILCなど)で開発した手法を、LHC実験でのトップクォーク識別に適用し、性能を評価している。その現状について発表する。
MEG II実験では新物理の証拠となるμ→eγ崩壊を探索する。背景事象同定用の検出器がターゲット上流側と下流側に設置される。特に上流側の検出器は大強度かつ低運動量ミューオンビームが通過するため、その開発には厳しい要請が課されている。上流側の検出器として開発しているのが、Diamond-Like-Carbonを高抵抗電極に使用したResistive Plate Chamberである。検出器の電極のギャップを保持するピラーの形成が原因で検出器の動作の不安定性が問題となっていた。本講演では、電極構造を改善した検出器での動作試験を報告する。
量子の世界では古典論での常識が通用しなくなる。光子が1つでも複数の波として干渉する現象を捉えるために、今回は一光子検出可能なMPPCを用いてた一光子レベルでのヤングの二重スリットの干渉実験や量子もつれを用いた量子干渉実験を紹介する。
2027年に稼働予定のハイパーカミオカンデ(HK)はニュートリノや陽子崩壊などの観測を目的とした巨大な水チェレンコフ検出器である。現在、HKで用いられる予定の50 cm PMTについて様々な性能評価が行われている。本研究は50 cm PMTのダークレートとゲインの長期測定による長期的な安定性の検証を目的としている。本講演ではその途中経過として、約7ヶ月間の測定でのダークレートとゲインの変動や安定性などを報告する。
将来の加速器実験に向けて「高精細」・「二重読み出し」・「ピコ秒レベルでの高時間分解能 」という性能を融合した次世代カロリメータ技術の開発を行なっている。その要素技術として高精細かつ読み出しチャンネルの減少を実現できる、ストリップ型のシンチレータをMPPCで読み出す検出器の開発している。本シンポジウムでは実測、シミュレーションを通して複数の読み出し方法を比較した結果について報告する。
素粒子物理学における散乱現象は、場の量子論によって記述される。量子計算機を用いると、場の量子論のダイナミクスの、非摂動的かつ多項式時間での数値計算が可能になると考えられている。そこで、本研究では、量子計算機を用いた実スカラー場の散乱現象のシミュレーションのアルゴリズムを実装する。量子計算機を模した古典計算機を用いて量子アルゴリズムの妥当性を検証するとともに、数値計算の収束性を議論する。
現在、2020年代後半に行われるLHC-ATLAS実験のアップグレードに向けて、ITkモジュールのPreProductionが進められている。PreProductionにおいては、本格的なITkモジュールの量産に向けて様々な試験が行われているが、その結果の系統的な評価についてはあまり進んでいない。そこで、今後の品質管理試験の効率や信頼性を向上させていくために、電気回路読み出し試験に関しての解析を行い、現状の測定基準が妥当であるかの検証を行った結果を報告する。(192文字)
FPGAを用いた高度な論理回路(例えば、高輝度LHC-ATLAS 実験におけるトリガー用論理回路)の開発は、優れた物理実験を実現するために必要不可欠となった。一方で近年、FPGAに実装されるファームウェアは大規模化・複雑化が進み、その検証機構の高度化が必須となっている。本研究では次世代のファームウェア検証機構として、FPGAアクセラレータの応用に注目する。CPUを起点とした入出力を実装することで、ファームウェア検証プロセスを簡略化し、柔軟な入出力の検証を可能にするシステムを開発した。
Th229原子核の第一励起状態は、8eVという原子核としては例外的に低いエネルギーを持ち、半減期が10^3秒程度のアイソマーであるため、レーザー制御による原子核時計に応用できる唯一の準位とされている。原子核時計は原子時計よりも高い精度が実現可能だとされ、標準モデルを超えた物理学の探索への利用が期待されている。本講演では我々が取り組んでいる高輝度放射光X線を用いたTh-229アイソマーの脱励起光観測について紹介する。
スーパーカミオカンデでの超新星背景ニュートリノ(DSNB)探索の主な背景事象に、大気ニュートリノと酸素原子核とのNCQE反応がある。この反応の予測精度を上げるために、酸素16ビームを用いた(p,2p)、(p,np)反応を測定する実験が計画されている。本発表では、この実験に向けて行なったシミュレーションについて報告する。
ハイパーカミオカンデとはニュートリノと核子崩壊を探る大型水チェレンコフ宇宙素粒子観測装置である。本研究ではハイパーカミオカンデで用いる50 cm径の光電子増倍管の時間性能やゲイン等の性能の入射位置依存性について調査した。位置依存性の調査報告のほか,性能位置依存性を詳細に調査するために構築した,ロボットアームを用いた装置について発表する。
「高精細カロリメータ」技術,「二重読み出しカロリメータ」技術,ピコ秒オーダーの時間分解能技術を統合した,高いエネルギー分解能を持つ次世代カロリメータの開発を行なっている. 本研究では,これらの技術を融合したカロリメータのエネルギー分解能をシミュレーションにより評価し,その結果を報告する.