帯広畜産大学における生物学実験科目のレポート評価を、ワークショップを用いて行った。学生は生物学実験の4つのテーマのひとつである「生物の同定」についてのレポートを、学生が相互に評価を行う「ワークショップ」と、教員が評価を行う「課題」の両方に提出した。ワークショップでは、1人の学生は3人の評価を行い、1人の学生に対し3人の学生が評価を行って、評価した学生3人の点数の平均値を得点とした。評価にはルーブリックを使用し、4つのクライテリアについてそれぞれ2〜4段階で点数を与えた。ワークショップと教員それぞれによる評価結果を比較すると、ワークショップによる平均点は19.3±5.7点、教員による平均点は15.6±7.4点となり、これらの間に弱い正の相関が認められた。したがって、学生による評価と教員による評価は一定程度整合的であったが、ルーブリックによる採点基準を事前に学生に説明することで、より整合...
MoodleのWebインタフェースを通してダウンロードできるログデータに加えて、データベースに格納されたデータも学習分析に用いることができる。しかし、Moodleのデータベースは複雑で、そのまま使うには専門性を要する。学習分析に資するデータを、マスタデータ、スナップショット、イベントログの3種類に分けて設計し、抽出するプログラムを実装した。マスタデータは、コースへの登録者、活動モジュールとリソースのインスタンスなど、(発表者の所属機関においては)原則として開講中に変化しない情報である。スナップショットは、フォーラムへの投稿のツリー、小テストの試行履歴など、データを抽出した時点でのコース内の状態である。イベントログは名前の通りイベントのログであり、イベントの種類によって追加のデータ項目を有する。イベントログに関しては、xAPIとCSVの2種類のデータフォーマットで抽出している。ダッシュ...